文系コンプレックスの具体的な内容とは、就職事情の悪さ・勉強内容の有益性・社会貢献度が薄い・頭が悪い(数学ができない)というイメージの4点。
これらの点では理系に劣る傾向で、ここで一種の劣等感を感じる文系関係者が少なくない。
基本的には大学生で多い内容だが、すでに働いている社会人でも感じることがある内容。
就職事情が悪い点
文系は理系に比べると就職では不利になりやすい。
正確に言うと、理系が圧倒的に有利になるという社会構造がある。
医学部・薬学部・工学部・理学部(一部学科除く)・情報学部・農学部はいずれも就職では有利になりやすい。
理系は専門性が求められる技術職に応募できる。日本全体では理系の割合は3割程度のため、該当学生にとっては都合がいい。
研究室の教授のコネ、あるいは「学校推薦」という枠を使えるのが理系の特権。
一方の文系ではこれらがない。教授のコネがある場合も法学部・経済学部では一部存在するが、理系に比べると少ない。
「学校推薦」も基本的にはない。自由応募で表ルートでしか採用枠がないのが文系。
大学3,4年生に多い
特にこれに該当する文系コンプレックスは大学3,4年生に多いと感じる。
就職活動を行っている学生ほど悩む。
書類選考から面接選考にて不採用を経験すると、自分よりも理系の方が優れていると感じることが考えられる。
転職市場でも
一方で社会人でも文系コンプレックスを持つ人がよくいる。
特に転職を目指している人で多い傾向。
転職市場でもより高度なスキルを必要と宇する技術職の募集が多く、これの対象者となるのが理系出身者のため。
さらに、文系が主流の営業職では売り上げノルマや顧客クレームがあることが多いのに対して、理系の技術職ではこれらの欠点がなく、技術系職種に憧れる点も一種の文系コンプレックス。
勉強内容を仕事で活かせない
文系の学問は社会に出てから、つまり仕事では活かせないことが結構多い。
「文系の勉強内容=役に立たない」という点がこれに当たる。
文系の勉強は役に立たない?
実学に当たる法学部・経済学部でも、一般企業では少なくともほとんど必要としない人がほとんど。
文系は営業職が多いが、営業の世界ではこれらの実学さえもあまり使わない。
文学部・人文学部・人間科学部などの人文学系の学部はさらに活かせない。
こうなると、大学4年間で学んだ勉強の成果が無駄になってしまう。ここがコンプレックスのポイント。
社会貢献度が低い
文系という分野が社会へ貢献しないというイメージもある。
理系の場合は科学技術の発展、イノベーションといったプラスの印象があるが、これは社会へ役に立つという観点から生まれる。
未来を創り出す理系、対する文系は…
例えば「5G」「地球温暖化の防止」「クリーンエネルギー」といった理想を実現するのは理系の学問の性質。
一方の文系に分類される学問は社会への貢献度が低いとの声が根強い。
法律・経済・文学といった内容はすでに存在するもの。明るい未来を作り出すための学問ではない。
もちろん、これから日本や世界の社会をより良い姿にするためには、これらも不可欠ではあるが、理系に比べるとそのイメージは少なくとも乏しい。
「○○に貢献したい」「人の役に立ちたい」と考える人では理系の社会貢献度に憧れて、それと同時に文系コンプレックスを感じる。
数学ができない悩み
文系は特に数学に苦手意識を持つ人たちが多くみられる。それに対して理系は比較的得意な人たちが多い。
数学では論理的思考力、計算能力が求められる。いずれも世間的には「頭がいい」と評価される能力。
数学ができないということは、これらの能力に欠ける可能性も示唆することを表す。
ゆえに、文系学生は数学ができる理系の人たちに対して憧れを感じる場面がある。
まとめ
上記で挙げた文系コンプレックスの内容4点をまとめると、以下のようになる。
文系の劣等感 | 悩みのポイント |
---|---|
就職事情 | 理系に比べて文系は就職でやや不利になりやすい |
仕事での活用性 | 文系の学問は仕事では活かせないことが主流(理系はいかせる人が多数) |
社会貢献度 | 理系は明るい未来を創り出すため社会へ貢献するが、文系は過去を見つめるだけ |
頭が良い・悪い | 数学ができない人が多い文系=頭が悪いというイメージ |
いずれも、国公立大学・私立大学のどちらにも該当。
全国的に同じ傾向で、地域差は特に存在しない。