【給料調査】JR北海道の年収の目安を職種・年齢ごとに一覧化

JR北海道の平均年収は500万円。鉄道業界、あるいは陸運業の中では平均よりやや低い金額に分類。
これは有価証券報告書に記載されているすべての職種及び年齢を総合して算出された金額。
実際には総合職と鉄道フィールド職(技術現業職)・ドライバーコース(駅員・車掌・運転士)によって差異がある。
公式では544万円
JR北海道は非上場企業のため、有価証券報告書に記載されているような公式の年収は発表されていない。
一方で、2012年度の公式年収は544万円とされている。
現在の市場環境をみると、以前と比べてもさらに経営状況が悪化していることから、会社規模やボーナス支給基準を考慮すると推定年収は約500万円前後になる見込み。
この年収には基本給のほかに、残業代(時間外手当)・休日出勤手当・ボーナス・通勤手当・扶養手当・家族手当・寒冷地手当などが含まれている。
他社と比較して
JR北海道とは名前の通り北海道地方を管轄する旅客鉄道会社。全国的に名前こそは馴染みが一定以上はあり、有名な会社でもある。
ただ、給料水準は高くはない。上場企業の中では低め。鉄道事業者でも、JR東日本、JR東海、JR西日本の本州3社、関東や関西の大手私鉄と比較すると大幅に低い。
経営状況が赤字であることが最大の要因。
第三セクター鉄道会社よりは高い傾向だが、全国的に知名度がある大手鉄道事業者としては安いと判断せざるを得ない。
総合職の年齢別の年収
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | ボーナス |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-350万円 | 20-25万円 | 50-60万円 |
25-29歳 | 300-400万円 | 20-30万円 | 60-80万円 |
30-34歳 | 400-600万円 | 25-30万円 | 80-100万円 |
35-39歳 | 450-650万円 | 30-35万円 | 100-150万円 |
40-44歳 | 500-750万円 | 30-40万円 | 120-180万円 |
45-49歳 | 600-800万円 | 35-55万円 | 120-180万円 |
50-54歳 | 600-800万円 | 40-60万円 | 150-200万円 |
55-59歳 | 600-800万円 | 40-60万円 | 150-200万円 |
JR北海道の総合職に該当する社員の年齢ごとの推定年収の目安。事務系・技術系のいずれも総合した場合の金額。
総合職全体(年齢問わず)の年収の目安は公式なデータは公表されていないものの、推定金額は600万円と算出。
総合職は特に新卒採用の時点からJR北海道の社員として働いている人が多い傾向。
勤続年数はかなり長くなりやすく、昇進のスピードも速いことから、年収も高い水準で推移。
ゆえに、JR北海道の職種の中では最も高い。
事務系総合職
事務系総合職の業務内容は次の通り。
- 鉄道営業・事業開発
- 企画管理・広報
- 総務・財務・人事
いずれも年収に関しては、仕事内容ごとの違いはほとんどない。
各種手当が付く職種ということもあって、平均年収も同年代の中では高い水準に達する。
20代、つまり新卒採用で入社してから間もない時期の年収が300~400万円。
30代は400万円~650万円ほどになる。
40代からは年収600万円以上という社員も少なくないレベルになる。全体でも500~800万円。
50代も600~600万円。ここも役職による違いが大きい。
子会社への出向などもあるものの、JR北海道本体に所属している限りは年収は本体と同じ。
技術系総合職
技術系総合職の業務内容は次の通り。
- 運輸(輸送、車両、運用、運行管理)
- 施設(土木、建築、機械)
- 電気(電力、信号通信、システム)
技術職においても年収は仕事内容ごとの違いはほとんどない。
20代の年収が300~400万円。30代は600万円~900万円。
40代からは年収1,000万円以上が出てきて、全体でも700~1,000万円。
50代も800~1,200万円。
40歳前後からは特に役職による違いが大きい。
同じように、子会社への出向などもあるものの、JR北海道本体に所属している限りは年収は本体と同じ。
現業職の年齢別の年収
年齢 | 年収 | 月収(基本給) | ボーナス |
---|---|---|---|
20-24歳 | 300-350万円 | 20-25万円 | 40-60万円 |
25-29歳 | 300-400万円 | 25-30万円 | 50-80万円 |
30-34歳 | 400-500万円 | 25-35万円 | 60-100万円 |
35-39歳 | 450-600万円 | 30-40万円 | 70-120万円 |
40-44歳 | 500-650万円 | 35-45万円 | 100-150万円 |
45-49歳 | 550-700万円 | 40-50万円 | 100-150万円 |
50-54歳 | 600-800万円 | 40-50万円 | 100-200万円 |
55-59歳 | 600-800万円 | 40-55万円 | 100-150万円 |
JR北海道の専門職に該当する社員の年齢ごとの推定年収の目安。運輸系・技術系のいずれも総合した場合の金額。
専門職全体(年齢問わず)の年収の目安は公式なデータは公表されていないものの、推定金額は500万円と算出。
大卒・院卒・高卒・短大卒・専門学校卒・高専卒が対象で、最終学歴による違いはほぼない。
総合職に比べると給料水準は低め。昇進のスピードは比較すると遅い。そのため、同じ正社員という形でも平均年収は現業職は低い。
それでも他の業界と比較すると決して低い金額ではない。
ドライバーコース(駅員・車掌・運転士)
仕事内容は次の通り。
- 電車の運転士
- 車掌
- 駅係員
- みどりの窓口等でのきっぷ類の販売
駅員・車掌・運転士の職種がこの「鉄道フィールド職」。
若年層に当たる20代で300~400万円。30代で400~600万円。
中年層になる40代で500~700万円台、50代で600~800万円が年収の目安。
一方で現場第一線が職場ということもあって体力・精神的にきついのも確か。
鉄道フィールド職(技術職)
仕事内容は次の通り。
- 列車制御システム、エネルギー、情報通信(電気系)
- 輸送、車両、機械(機械系)
- 線路、土木、建設(土木系)
- 建築
- IT(情報系)
保線などの土木工事、車両のメンテナンスなどが一般的にイメージが付きやすいが、これに該当するのは鉄道フィールド職。
20代で300~400万円、30代で400~600万円、40代で500~700万円台、50代で600~800万円。
基本給の傾向
JR北海道の基本給の金額の目安は以下。
30代:25-40万円
40代:35-55万円
50代:40-60万円
総合職と専門職のほかに、勤続年数やこれまでの昇給幅によって基本給は個人差が出てくる。
全体的な傾向としては上記のようになると推定。基本給は本州JR3社をはじめ、他の鉄道事業者と比較してもほとんど違いはない。
基本給のみならず、残業代、乗務手当なども似たような水準。
なお、最終学歴(大卒・院卒・高卒・短大卒・専門学校卒)による違いはあくまでも初任給の時点に適用される。
基本給の昇給は入社後の実績等による影響が大きく、学歴で決まるものではない。
ボーナス(賞与)の傾向
JR北海道のボーナス(賞与)の金額の目安は以下。
30代:80-150万円
40代:100-180万円
50代:100-200万円
ボーナスの金額算出は基本給をベースに出されるため、総合職と専門職の違い、勤続年数、これまでの昇給幅によって基本給は個人差が出てくる。
同様に、最終学歴はボーナスの算出計算には用いられず、あくまでも基本給や勤務状況がベース。
年間で基本給の4.0か月分。(2014年実績)
毎年も夏季、冬季それぞれ2.0か月分ほどで推移。
ボーナスが年間で基本給の4か月分が出るのは、鉄道業界なら平均的な目安だが、一般的な大手の上場企業であればむしろ少ない方。
役職ごとの年収
役職 | 平均年収 |
---|---|
部長 | 1,100万円 |
課長 | 900万円 |
係長 | 650万円 |
一般社員(役職なし) | 350万円 |
部長級
部長級は従業員の中で最上位の役職。
平均年収は1,000万円を超えることが予想される。推定では約1,100-1,300万円。
部長級としては、大手企業の中では低め。
課長級
中間管理職の代名詞ともいえるのが課長。
平均年収は推定900万円を超えるか超えないかの付近。1,000万円も見込まれる。
これまでの勤続年数や実績などによって変動幅も大きい。
係長
労働者(労働組合に加盟できる従業員)の中の最高峰が係長。
平均年収は推定で約700万円と推定。
新卒から定年まで働く場合、ほとんどの社員が最終的には係長クラスまでは昇進する。
年収の内訳では、係長に対する役職手当よりもこれまでの勤続年数に伴う昇給幅の方が影響。
最終学歴による違い
JR北海道の初任給は以下の通り。
〔総合職(大卒)〕
修士了:186,900円
大 卒:178,000円
〔高専卒〕
高専卒:159,200円
〔鉄道フィールド職、ドライバーコース〕
大 卒:156,700円+都市手当(一律基本給×3% 4701円)
短大卒:144,200円+都市手当(一律基本給×3% 4326円)
専門卒:144,200円+都市手当(一律基本給×3% 4326円)
※勤務地・職種により各種手当が支給されます。
※2019年4月実績
初任給は最終学歴と職職によって金額が違う。
院卒(修士)が最も高く、その次に大卒、短大卒・専門学校卒、高卒という順序。職種別では総合職が高く、現業職が低い。
ただし、上記の表はあくまでも新卒入社時点での初任給の場合。その後の年収の金額は勤続年数や実績による評価と昇給幅によって個人差が大きくなる。
最終学歴の影響は年齢が上がるごとに小さくなる。
大卒・院卒が高い傾向
ただし、年収の面では大卒・院卒の方がやや高い傾向がある。JR北海道のみならず、世間全体でもこのような流れが目立つ。
これは、総合職では高専卒以上しか採用していないため。
総合職は出世が早く、給料水準の高めであるが、ここに該当する人達が大卒以上がほとんどということで、結果的に高卒、専門学校卒などとの差が出ている。
高卒でも世間的に高い
高卒の区分の採用があるのは現業職。年収は総合職より低めではあるが、それでも世間一般と比較すると普通レベル。
世の中全体の高卒の年収は423万円。大卒・院卒の平均年収は607万円。(厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」による統計データ)
JR北海道は専門職でも平均年収は500万円前後のため、高卒でも給料水準でも低いとは言えない。
参考文献
厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」